日本民話の記録は、柳田國男の『遠野物語』以降、民俗学研究、口承文芸学研究の一環として実施されてきた。

テープレコーダの普及する以前は主として筆記により、文字データのみの記録にとどまっていたが、とくにカセット・テープの登場した1960年代後半以降、音声データを伴う記録が主流となった。

記録者は、大学、研究団体、地方自治体、放送局などさまざまの機関に属し、主として個人であり、記録テープは個人によって保存・管理されているものが、大半である。

記録量を、正確に把握することは不可能であるが、少なくとも30万件を越えると思われ、世界的にみても、抜群の研究成果である。ただし、これらの記録は、ほとんどすべてがアナログ録音であり、時とともに劣化する運命にある。

日本民話データベース委員会は、これらの貴重なアナログデータをデジタル化して喪失と散逸を防ぐとともに、分類整理し、項目別に検索可能なデータとして公開し、日本民話研究の発展に寄与することを目的とする。

デジタル化された情報は、単にほぼ永久的な保存が確実にされるだけでなく、集中的な管理と検索が可能となり、なおかつ多くの研究者が公平に利用できるインターネットやCD-ROMという公共性の高い公開手段をそなえている。

とくに、パーソナル・ユーズのコンピュータ普及によって、これまでとは違った方法で多量のデジタル情報を処理することが誰にも可能になった現在、従来個別に管理されていた情報を大学、博物館、学会という公的機関においてデータベースとして整理しなおし、公開することには、大きな意義がある。